藍色の地に赤、薄い青緑、緑、金茶の色からなる糸巻柄を織り成す大島の着物です。

　タテ糸２本、ヨコ糸２本を交差させて、風車のような井型の絣模様をつくる織り方の一元（ひともと）式絣の大島です。（写真１０枚目）

　４角形の可愛らしい糸巻の柄で、糸巻の内側部分も外側の色と同じ色を使用して立体感を出しています。

　若い母親が幼子を膝に乗せ、子供の手をくるくる回しながら歌っている光景をよく見たものです。
　糸巻き巻き、糸巻き巻き、ひいてひいて、トントントン…　と童謡・唱歌にうたわれていますように、かつて、糸巻はとても身近で大切な道具でした。
　しかし、昨今、歌は歌われても糸巻を見る機会が少なくなっています。

　糸巻きから手繰り寄せる糸に終りはないようで、糸巻から長く伸びる糸は、終りのない命、不老長寿や子孫繁栄の願いも込められているという説もあります。
　この大島の柄には、そのような願いも込めて織られているのでしょうね。

　胴裏は白の羽二重、八掛は赤く色づく紅葉色の紬用両駒の無地を使用しています。

　寸法（単位㎝）
　身丈（背）150　裄63　袖巾32　袖丈49　後巾30　前巾23.5　バチ衿

　体形にもよりますが、身長150㎝前後の方にお勧めです。

　畳んで置いてあったのでしょう。袖付け（写真1，2，3枚目）や背筋（7，8、９枚目）に、ヤケによる変色が見られます。

　それと、帯の下になり隠れると思いますが、裾から78㎝　にヤケによると思われる変色が見られます。（写真7，8枚目）

　胴裏の左右身頃の袖付け周辺にシミ汚れや少し変色が見られます。（写真5枚目）
　胴裏の左前の剣先辺りにシミ、汚れがあります。（写真6枚目）
　写真には映らないと思い、割愛しますが、八掛の裾に少し黒ずみが見られます。


　シミ、汚れ等はできる限りチェックしておりますが、見落としのある場合もございます。ご理解の程、お願いいたします。

　デジカメの画像です。スマホやパソコンによって、色の違いがでることがありますので、ご了承下さい。また、カメラの特性で違う色になることが多々ありますのでお断りしておきます。

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